リバースモーゲージの仕組みを解説!銀行から家担保に借り入れ
「銀行からお金を借りたいけど収入面で問題があって借りられそうにない」、こんな悩みを抱えている高齢者は非常に多いです。
年金で暮らしているといっても、国民年金だけでは生活はカツカツで、とても満足した暮らしは出来てないという悩みも多く、そうした人は生活保護を頼らざるを得ない現状があります。
今回は、高齢者が利用できるリバースモーゲージという借り入れを解説していきます。通常の借り入れとは少し異なる仕組みなので、その特徴を理解しておきましょう。
普通の借り入れと何が違う?リバースモーゲージとは
言葉を聞いただけでは、おそらく何のことか分からないという意見が多いでしょう。
リバースモーゲージとは、自分の持ち家を担保にして、銀行などからお金を借りる方法の一種です。
これが通常の担保借り入れと異なる点はいくつかあるのですが、もっとも大きな違いは、その借り入れの仕組みです。幾つか通常の借り入れとは違う点があるので、一つ一つ解説していきましょう。
まず、この制度は年齢制限があります。一般的な借り入れであるキャッシングやカードローンは、利用可能年齢が20歳以上69歳未満です。リバースモーゲージは、年齢が65歳以上でなければ利用できません。若い人向けの借り入れではないのです。
借り入れの仕組み自体もカードローンとは違います。カードローン・フリーローンは、最初にお金を借りたら、毎月少しずつ(あるいは一括で)返済していく形式です。時間がたつにしたがって、債務が少しずつ減っていくのが通常の借り入れです。
これに対して、リバースモーゲージは、毎月返済するという工程そのものがありません。どういう方法で返済が行われるのかを次に解説していきましょう。
返済はどうするの?リバースモーゲージの借り入れと返済
リバースモーゲージは、契約するときに担保にする住宅を設定し、契約年数を決めます。契約年数は20年程度であることが多く、その間は契約者が生きている限り返済する必要が原則的にありません。
お金を借りる方法は、毎月指定の口座に自動的に振り込まれることが多く、契約期間が長いほど、最終的な債務総額は大きくなります。契約が満了または契約途中に契約者が死亡すると返済義務が発生し、これまで借りた分を一括返済することになります。
担保にした住宅を売却することで返済に充てます。つまり、最初の担保に入れる段階で、契約者の持ち家がどの程度の資産価値があるかを計算・予測して、それに応じた金額または期間を定めて融資を行うのです。
ちなみに、この名称の由来ですが、リバースは「逆」、モーゲージ(モーゲッジ)は「担保」のことを意味します。通常の担保ローンは、時間とともに債務が減っていくのに対して、この借り入れは逆に、時間とともに債務が増えていくことから、リバースモーゲージという名称がつけられたのです。
さて、このリバースモーゲージには、その仕組み上、いくつかの欠点や問題点があります。それをここから解説していきます。
こんな人は使えない?リバースモーゲージ契約の注意点
一般的なカードローンなどの返済一体型の債務契約と大きく異なるのがリバースモーゲージです。これを利用する場合、事前にある程度の知識を持っていないと、審査の段階で弾かれたり、思わぬところでトラブルに発展したりすることがあります。
まず、利用できる条件ですが、大きく分けて5つの条件を満たす必要があります。その中でも特に絶対不可欠だと言われるのが次の3つです。
- 年齢が65歳以上である
- 現在住んでいる住宅または保有している物件が一戸建てである
- 契約時に連帯保証人を立てることが出来る
そのほかにも、住宅の相続人が契約に承諾していることや、担保にする物件が他の債務の抵当などになっていないことも求められます。
マンションに住んでいる高齢者や、連帯保証人を得られない高齢者は契約することが原則的にできないということを知っておく必要があるでしょう。
債務契約を途中でやめることは出来るのか?
リバースモーゲージの契約は、途中で解約することも出来るケースが大半です。例えば、借り入れの必要がなくなったといったケースや、引っ越しなどによって住宅の維持が出来なくなったといった場合でも解約できます。
解約するときは、これまで借りた分を一括返済する必要があります。本来、住宅を売却することを前提に借りているため、一括返済額もかなりの高額になることが多く、ある程度借り続けた後に解約しても、結局住宅を売り払うことになるケースが多いとされています。
リバースモーゲージを途中解約する時には、これまでの債務総額の返済の目処が立っているときにしないと、住居を失う結果になりかねないので注意が必要です。
低金利で長期間借りられる?リバースモーゲージのメリットとは
ここからは、リバースモーゲージという借り入れの仕組みの具体的なメリットとデメリットについての内容になります。
この制度の最大のメリットは、担保にした住宅を手放すことなく住み続けながら融資を受けられる点と、契約期間中に返済する必要が全くない点にあります。
通常、担保にした者は、その契約が始まった時点で所有者の手を離れます。質入れなどを想像してもらえばわかると思いますが、担保はあくまで返済が行われるまでの債権側の保険のようなものです。
ですがリバースモーゲージでは、その担保自体が、所有者が維持する必要がある「住宅」というものであるため、例外的に担保にした住宅に契約者である所有者が住み続けることが出来るのです。言ってみれば、担保を質を維持するための必要措置でもあります。住宅というのは、定期的に管理しないとその質が急激に落ちてしまうからです。
借り入れをしても返済しなくていい特殊な方法?
リバースモーゲージを利用するメリットの2つ目は、返済に関わることです。通常、銀行や消費者金融などで借り入れをした場合、毎月最低一回は返済をしなくてはいけません。金額はその時点の債務総額によって決められますが、大体総債務額の1割前後とされています。
しかし、このリバースモーゲージには、そうした決まりはありません。最後に一括返済するという契約内容であるため、契約期間中は常に一定の金額を毎月自動的に借りていき、期間の満了とともに一度にすべて返済する仕組みだからです。
収入面に不安がある高齢者にとって、途中でまったく返済しなくていいというのは非常に合っているプランなのです。基本的に、契約者が死亡するのと契約が満了するのが同時であるという前提で組まれるので、契約者は返済について気にすることなく利用できるとも言えます。
問題になるのは、リバースモーゲージの契約が終わっても契約者が生きてその住宅に住み続けているときです。
家も失い多額の借金を抱える?デメリットには要注意!
リバースモーゲージは契約が完了するとともに、これまで借金を一括で返済しなくてはいけません。それはつまり、担保にしていた住宅を競売にかけ、債務返済に充てるということです。もちろん、それで債務が全部なくなればいいのですが、何らかの理由によって債務が残った場合、契約者にその返済義務が生じます。
昨今の寿命の高齢化によって、リバースモーゲージにはある問題が起こるようになりました。それが、「契約終了時に契約者が生きてその住居を利用し続けている」という問題です。
当然、その住居を売却出ずにこれまでの債務を一括で返済することは資産的に出来ません。そうなった場合どうなるか、想定される最悪のケースは、まず、住宅が有無を言わさず競売にかけられ、契約者は住む家を失います。
景気変動による不動産価値の下落によって、競売にかけられた家は、当初の想定売却額を大幅に下回り、多額の債務が残ったままになります。こんなことにはならないだろうという人もいますが、リバースモーゲージは契約期間がおよそ20年という長期にわたるものです。バブル後半に高騰した土地や住宅などの不動産は、バブル崩壊とともに20年間でその価値を大きく下げました。絵空事ではないのです。
リバースモーゲージを利用するときは、長生きするということが必ずしもいい結果にはならないということを考えておく必要があります。
この制度は、連帯保証人が必ず必要になります。それは、契約者が死亡し、住宅の売却後に債務が残った時に、連帯保証人にその返済を引き継がせるためです。その目的からすると、連帯保証人になれるのは、契約者よりも長く生きられると考えられる相手に限定されます。
契約者が死亡したとき、連帯保証人もその後すぐに死んでしまったとなれば、債権の回収が不可能になるからです。
高齢者の連帯保証人探しは死亡リスクが高いため、かなり困難になります。
リバースモーゲージは確かに契約者にとって多大なメリットがある契約です。長期間返済する必要なくお金を借りられて、しかも担保とした住居を使い続けることが出来ます。借りたお金の使い道も原則的に自由です。しかし、これはあくまでお金を借りているという状態だということを自覚しなければいけません。
一歩使いみちを間違えれば、逆に契約終了後に自分自身が追い詰められることになります。それを十分に理解した上で契約するようにしましょう。メリットも大きいですが、デメリットも大きい契約、それがリバースモーゲージなのです。
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