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国から低金利でお金を借りる方法!生活福祉金貸付制度を簡潔に解説

私たちが知人や友人以外の第三者からお金を借りるとすれば、消費者金融や銀行が一般的です。国の制度でお金を借りることが出来るという事実は知っていても、どんなものがあるのかは具体的に良く知らない人が多く、申し込みが面倒といった理由でカードローンなどに頼りがちになってしまっています。

今回は、国の貸付制度の一つである生活福祉金貸付制度というものを解説していきます。消費者金融や銀行で借りることが出来ないような人が対象になる制度なので、そういった人は知っておくことを勧めます。

長い名前の制度だけど結局どんな人が使えるの?

生活福祉金貸付制度という、長いうえに具体的に誰を対象とするのかいまいち曖昧な名称がついているのがこの制度です。これだけ聞いても、どんな人が利用できるのはよくわからないという人が大半でしょう。

この制度の概要をざっくりと述べると、所得水準が一定未満であり、教育資金を捻出できない、生活を維持できない、消費者金融や銀行の借り入れが利用できない人を対象として作られている制度です。

この水準というのがどのくらいの目安かというと、「生活保護水準よりは収入があるが、県ごとに定める低所得者所得水準を下回っている世帯」という括りになります。

また、65歳以上の高齢者の世帯と障碍者がいる世帯も対象になります。

この3つのいずれかを満たしている場合のみ、生活福祉金貸付制度を利用することが出来る対象とみなされます。

注意しよう!収入面でこの制度の申し込みを認めてもらうのは大変!

この制度は、一見すると低所得者でも利用できるセーフティネットのように見えます。確かにその一面もあるのは事実ですが、この制度は国がお金を貸す制度です。

しかも、金利はおよそ1%前後で借りることが出来(連帯保証人が付けば無利子)、返済期間もかなり自由が利きます。

これだけ利用者にとって有利だということは、審査が相応に厳しいということでもあります。特に厳しいとされるのが、世帯収入が本当にその水準にいるのがやむを得ないのかという審査です。

この制度は、利用者が他の制度をどれ一つ利用できない状況にあるという状態になって初めて利用可能になると言われています。例えば、生活保護が利用できるならばそちらが優先され、単に金利が低いから借り入れを申し込みたいといった希望も通りません。健康で働けそうだと判断される者が家庭にいれば、それも通りません。あくまで貸し付けなので、収入が全くない場合や極めて低い場合も拒否されます。

生活保護を受けるほどには収入が低くなく、かといって他の借り入れで審査に通るほど安定した収入を得ていないぐらいの世帯が目安になります。これに加えて、世帯内に新たに働けるような人間がおらず、世帯収入が上がる見込みがないということを証明する必要があります。

生活福祉金貸付制度にはどんな種類があるの?

さて、肝心の制度の中身ですが、どんな目的で借りることが出来るのかということについて解説していきましょう。

生活福祉金貸付制度には大きく4つの目的で利用することが出来るように分類されています。総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4つです。順番に見ていきます。

総合支援資金は、主に住居関係と就業関係の借り入れを担当します。生活環境が逼迫している人が利用すべき分野です。生活基盤を整えるための借り入れや、住宅費用、公共料金の支払い、就職に必要な資格に掛かる費用等の目的で借りることになります。

福祉資金では、怪我や病気、介護、災害関係で資金が必要になった人に向けた借り入れが利用できます。入院費用や療養費、介護サービス、老人ホームの入居費用、災害で発生した費用によって困窮した状況を脱するための借り入れなどが主な利用目的になります。

教育支援資金は、奨学金と似たようなもので、低所得者世帯の子供が高校以上の教育機関に就学、または通学するにあたって必要になる各種費用を借りることが出来ます。ここで重要なのは、契約者が学校に通う子とも自身になるため、親が返済義務を負うように連帯契約を結ぶ必要があるということです。

不動産担保型生活資金は、主に高齢者を対象とした借り入れになります。住んでいる自宅を担保として、生活費を借り入れするという形態をとっています。低所得者の高齢者向けのプランと、生活保護を受けていても利用できるプランの2種類があります。

この4つは審査の内容や借り入れできる金額の差がありますが、そのいずれも銀行や消費者金融から借りる制度よりも金利面で優れています。

当然のことですが、自分が利用したいのはどの制度なのかを、事前に調べてから申し込みをすることを勧めます。

各プランの金利と連帯保証人付きとの待遇の差について

生活福祉金貸付制度の金利は、民間企業からの借り入れに比べると、その金利の低さは圧倒的ともいえるほどです。例えば、消費者金融で20万円を借りようとすると、その金利は、およそ14%前後です。しかし、同じ金額を生活福祉金貸付制度の総合支援資金で借りると、年利はわずか1.5%です。

約10分の1の金利でお金を借りることが出来るのだから、利用できる人にとっては消費者金融や銀行をわざわざ選ぶ気にはならないでしょう。これは、他の制度でも同じです。生活福祉金貸付制度では、不動産担保型を除くすべての貸し付けで年利1.5%で借り入れが出来るようになっています。

10万円借りても一年で1500円しか負担が増えないのだから、低所得者にとって非常にありがたい制度であるということが分かるでしょう。

ここで重要になるのは、連帯保証人を付けることが出来れば、無利子で借りることが出来るという点です。

つまり、どれだけ借りても一切金利が発生せず、借りた金額そのものを返済すればいいという制度になるのです。確かに、連帯保証人を見つけるのは容易ではありません。連帯保証人は、万が一債務者が返済不可能になった場合、問答無用で借金を肩代わりしなくてはいけなくなるので、敬遠されやすいという問題があります。

しかし、この制度で借り入れできる金額はそれほど多くない上に、審査自体が厳しいこともあり、契約が出来たものは返済できる可能性が高いと国に認められたと考えられます。

「この契約が出来る=信用に足る人物」だと思われやすいので、他の契約の連帯保証人よりは安全性が高いと判断されるため、思った以上に連帯保証人についてくれる人が多いのも特徴です。

生活福祉金貸付制度を申し込むために必要な書類は?

ここでは、実際にこの制度を契約するために必要なものを紹介していきます。

ちなみに、一般的に銀行などで借り入れをするときに必要なのは、本人確認書類と収入証明書類の2つだけです。

しかし、生活福祉金貸付制度ではこれに加えて複数の書類を用意することが求められます。

必要になる書類は、本人確認書類、収入証明書類に加えて、住民票、納税証明書、連帯保証人の返済能力を証明できる書類、各プランに応じた書類(教育関連であれば在学証明書類など)を揃える必要があります。

書類の不備は許されません。契約を申し込む前に、自分がどの支援金を必要としているのかを調べ、それに付随して求められる書類をきちんと揃えて審査に臨みましょう。

審査に通りお金を借りられる人はどのくらいの割合なのか

この制度を知っている人自体が少数ですが、知っていれば、これがいかに優遇された制度なのか、すぐにわかります。なにしろ、お金を借りるときに事業者でもないのに極めて低金利で借りることが出来るのです。

本来、低金利でお金を借りることが出来るのは、社会的信頼が高い人(高収入で安定した職に就いている人)と相場が決まっているにもかかわらず、この制度では、低所得者に低金利でお金を貸しているのです。

低所得者は、その経済状況から返済が滞る危険性が高いため、お金を貸す方としては、本来リスク回避のため、高い金利を課したうえで融資をします。生活福祉金貸付制度はそうした金融業界の常識とは異なるスタンスで提供されているサービスなのです。

本制度の求める条件を満たし、他に利用できる支援制度が全くないという人の申し込みに対しての融資率は8割を超えるとされています。

しかし、こうした現状とは裏腹に、インターネット上には、「申し込みをしたが断られた」といった内容が良く見られます。

その理由は、この制度が「金利が非常に低く借りられる」という一点のみが強調され、その資格を満たすのが極めて難しいということが、さほど語られていないという原因があります。

これはあくまで、他に利用できる制度がどれも使えないような人が最後の手段として頼るべきものなのです。そのため、安易な気持ちで申し込んでも、「あなたなら~の制度が利用できるのでそちらに申し込んでください」という紋切り型の定型句で断られるのです。

低金利で借りられるというメリットだけで、考え無しに申し込む者の多さによって、「借り入れが全然認められない制度」という誤解を受けやすいのがこの制度の特徴でもあります。しかし、資格ある者の申し込みで断ることはほとんど無いのがこの制度の本質です。この部分を取り違えることのないよう理解しておきましょう。

本当に生活に困窮している人は借りられない?制度の欠点とは

最後に補足として、この制度のある意味矛盾点ともいえる部分について解説していきましょう。

矛盾点とは、「低所得者向けに制度が作られているのに、低所得で返済が出来そうにないからという理由で審査に弾かれる」という問題です。

何が言いたいかというと、申し込み者が生活保護水準以上の所得であっても、収入が低いからという理由で返済が出来ないと判断されるケースが多く、場所によってはこの制度が機能していない部分があるということです。それと同時に、生活保護を受けられず、この制度も利用できない「真の貧困層が存在する」という点です。

本来、この制度が利用できる所得層というのは、生活保護の対象になるほどの低所得者は含まれていません。しかし、ご存知の方も多いと思いますが、生活保護はそう簡単に受けられる制度ではありません。

ワーキングプアと呼ばれる、働いていても生活保護水準以下の収入しか得られない層が存在します。このような人は生活福祉金貸付制度を受けることが出来ません。この制度の欠点は、生活保護を断られた人の受け皿として機能しない点にあるのです。

生活保護水準であるワーキングプア世帯が生活福祉金貸付制度に申し込んでも、「生活保護を利用するように指示され」、申し込みを断られます。かといって生活保護を利用しようとしても、現時点で収入があり、親族などから援助が得られそうな場合や、処分できる財産があるという理由で断られるケースが非常に多いのです。

生活福祉金貸付制度を利用するには、「低所得者でありながら返済能力がある」と国に認められなくてはいけないのです。つまり、特に理由もなく無職であったり、または定期的な収入が無い場合は、銀行や消費者金融と同じように、借り入れを断られるということを知っておかなくてはいけません。

重要なのは、あくまでこうした民間の貸金業者よりも低い所得水準であっても借り入れが出来るが、「収入が安定して確保できない者を助けるような甘い制度ではない」ということなのです。

【参考記事】
事業も家計も資金繰りが厳しい!お金が足りないときはどう対処する?

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