お金を借りる方法100選!目的別の賢い借り方
> > 教育一般貸付の審査基準を解説!民間の教育ローンとの違いとは

教育一般貸付の審査基準を解説!民間の教育ローンとの違いとは

子供の養育費で一番お金が必要なのは、おそらく学校に掛かる費用でしょう。今回取り上げるのは、その費用を国から借りることが出来る制度です。

この制度は銀行や消費者金融からの借り入れとは性質が大きく異なるので、必要な知識をしっかりと理解して活用できるようにしましょう。

大きく異なるのは、借り入れできる人の所得上限と審査の内容なので、この二つを重点的に解説していきましょう。

教育一般貸付は国の制度!どんなものが知っておこう

最初に、教育一般貸付というのは、誰が利用できるのかということから解説していきましょう。この制度を利用できる人は、中学校を卒業した子供がそれ以降に入学する学校に通う場合です。

制度を利用できるのは親や後見人で、子供本人が借りることは出来ません。また、子供がいない場合も利用できません。この制度はあくまで子供が学校に通う費用を国の補助を介して賄うという理念で作られたものだからです。

教育一般貸付の最大の特徴は、最低金利1.36%という極めて低い金利で最高350万円(海外の学校であれば450万円)の借り入れが出来る点にあります。

この制度は銀行の教育ローンや各学校の奨学金制度に比べて、利用者側に非常に有利なものなので、学校費用で借り入れをする場合は、条件さえ満たしていれば真っ先に検討すべきものとなるでしょう。

高所得者は利用できないって本当?どんな人が利用できるのか

高額の資金を圧倒的低金利で借りることが出来る教育一般貸付ですが、これには銀行の教育ローンにはない幾つかの基準を満たす必要があります。

そもそも、この制度が何のために作られたのかと言えば、学校に行くためのまとまったお金を用意できない人のためです。このことからも分かるように、世帯年収が高い家庭は、余裕があるだろうからこうした国の補助が必要ないと判断され、申し込むことが出来ないようになっています。

具体的には、子供の人数が1人から5人までにそれぞれ年収上限があり、それを超える人の利用は出来ないようになっています。例えば、子供が1人であれば、世帯年収が790万円未満でなければいけません。また、親が単身赴任しているなど特定の条件を満たすことで200万円ほど上限を上げることが出来ます。

そうとは言っても、この基準額はかなりの高所得者を対象としているので、一般家庭であれば特に問題にはならないことが多いです。

銀行や消費者金融の教育ローンとはどう違うのかを徹底比較!

国が主導で提供している教育一般貸付ですが、この制度は銀行や消費者金融が提供している教育ローンと何が違うのかを知っておくことは非常に重要です。

借りたお金が何に使えるのかという内容については後述するのですが、用途だけでいえば教育ローンとさほど変わりありません。

大きく異なるのは、やはり審査に関するものです。冒頭でも述べたように、教育一般貸付は年利1%前後というローンとしては極めて低い金利でお金を借りることが出来ます。

「国が提供している補助制度なんだから比較的誰でも利用しやすいようにできているんじゃないの?」と考えて気軽に申し込む人が非常に多いのですが、審査の厳しさはローンの中でも上位に入るほど難しいと言われています。

最大で350万円もの金額を年利1%台で融資するというのは、債権側(貸し手)に相当にリスクがあるということになるため、契約者の返済能力がかなり高くないと融資が認められないという現状があります。

銀行や消費者金融は教育ローンを組むうえで、ある程度収入があって返済能力が安定していれば、それほど審査で落とすことはありません。専用ローンは貸したお金の使い道が明確に決まっているので、返済能力がまるで足りないなどの余程のことが無ければローン自体を組むのはさほど困難ではありません。

しかし、超低金利で高額の融資をするとなると話が変わってきます。万が一返済できなくなる状態に陥ると、貸し手は大損することになるので、厳重な審査を行うようになるのです。

教育一般貸付を優先して申し込んだ方が良い理由

教育一般貸付と教育ローンのどちらを利用しようか迷っている状態であれば、間違いなく前者を先に申し込むのが得策です。

その理由は、金利面での優遇もさることながら、この後説明する審査時間が大きく関係しています。

教育一般貸付で借り入れが出来た人は、大抵教育ローンでも借り入れが出来ます。しかし、教育ローンで借り入れが出来ても、教育一般貸付では断られてしまうケースがあります。そうなった場合、必要な資金を別のところから調達しなくてはいけなくなり、時間的な猶予もなくなってしまいます。

教育ローンを利用するのは、入学前になるケースがほとんどで、その最大の理由は入学直後に必要になるものが多く出費がかさみがちだからです。

教育一般貸付は教育ローンを利用する前に申し込まないと、入学までに間に合わなくなるケースも有るのです。

教育一般貸付は審査に掛かる時間がとても長い!

ここからが重要な内容なのですが、教育一般貸付が民間のローンと大きく異なるのが、申し込みから融資の許可が出るまでの時間です。

端的に言って、教育ローンの倍以上の時間がかかります。これほど審査に時間がかかる関係上、この制度を利用する場合は、審査に落ちてから教育ローンを検討することも併せて考えると、最低でも入学の3ヶ月前ぐらいには申し込みをするのが望ましいと言えます。

具体的な期間ですが、教育ローンの審査は5日から2週間程度かかるのに対して、教育一般貸付は2週間から3週間程度かかると言われています。

カードローンのように、申し込みからほんの2~3日で結果が分かると思って申し込むようなことが無いようにしましょう。

審査に最低限求められる利用者の条件とは

教育一般貸付の審査は銀行の教育ローンとは性質が全く異なります。特に、過去の返済実績はほとんど考慮されないことが多く、これまで借り入れできちんと返済してきた人であっても、簡単に落とされることも珍しくありません。

返済能力というのは、何も収入の額だけではありません。と言うより、一定以上の収入がある場合は、そもそもこの教育一般貸付が利用できないので、返済能力はそれ以外の面で評価されます。

審査をクリアする上で絶対に求められるのが、子供の通学期間中に安定した収入を得られるかどうかという点です。この条件を満たせないと判断されると、どんなに他の条件が良くても審査には通らないでしょう。

教育一般貸付に求められる最低限の条件すら満たせない場合は、「教育支援資金」という制度に利用を切り替えた方が良いケースのあります。こちらであれば、融資額では多少不利になるものの、制度が低所得者に向けたものであるため、「子供を学校に通わせたいけど収入面が不安定でお金が無い」という人に向いている制度になります。

教育一般貸付で借りたお金が使える用途と返済について

教育一般貸付で借りた資金は何に使えるかということも、知っておくべき重要な内容です。

使いみちは、授業料や施設管理費などをはじめ、受験費用、在学のための住居費用、教材費用、修学旅行などの学校の行事の際の費用にも利用することが出来ます。

基本的に、学校に通う過程で必要不可欠になるほぼすべての費用に利用することが出来るのが教育一般貸付です。

返済は最長15年(条件を満たせば18年)以内と非常に長期の返済が可能であると同時に、子供の在学中の費用負担を軽減するため、その期間内であれば、金利のみを返済することも可能です。

しかし、可能であれば元金をいち早く減らすことを意識して返済するようにしましょう。金利のみで返済する問うことは、借金そのものは全く減らないということでもあります。いくら利率が低いからと言っても、金利だけ返済するのは避けた方が良いでしょう。

また、返済方法は元利均等方式と呼ばれるもので、毎月の返済額が一定であり、返済が進むほど金利の元金の内訳が変わってくる方式をとっています。この制度の特徴は最初の内は返済部分に占める金利の割合が大きく、債務残高が減るにしたがって、元金の占める割合が増えるというものです。

つまり、最初にまとめて返済すれば、金利負担がより小さくなり、予定よりも返済期間を大きく短縮することが出来るということです。資金に余裕があるときにまとめて返済するように心がけましょう。

【関連記事】
国から低金利でお金を借りる方法!生活福祉金貸付制度を簡潔に解説

トピックス
ページトップへ