つなぎ融資とは?一時的な使い方、その基本を知る!
ローンは、金融機関によって扱っている種類の多さなどの違いはありますが、大抵の場合、似たような内容のローンを扱っています。
とはいえ、どこも全く同じものばかり扱っているわけではありません。例えば開業医向けのローンや美容用の女性向けローンなど、少し変わったタイプのローンもあります。
そんな中、「つなぎ融資」というローンがあります。これも、全ての金融機関で扱っているわけではありませんが、必要な状況を考えると結構大切なローンと言えます。
つなぎ融資とはどんなローンになるのでしょうか。
個人でも法人でも使われることがあるつなぎ融資とはどんな融資?
大手から地域の小さな銀行や消費者金融など、金融機関が扱っているローンには様々なタイプがあります。
多くの人が必要とするカードローンなど一般的なローンはどこでも扱っていますが、例えば離婚した女性の為のローンなど、一定条件に該当する人だけが必要とし、少し特殊と言えるようなローンを扱っているところもあります。
「つなぎ融資」とは、やはり誰もが必要とするような状況でのローンではないのですが、それを必要とする人にはかなり重要な状況で使えるローンになります。
後日、資金が入金することはわかっているが、入金まで一時的に資金不足になるため、その間をつなぐために融資されることです。
よくあるのが会社の資金繰りで使われることや、個人では住宅ローンで利用されることもあります。
また、国際金融では外貨準備不足などで他の国や中央銀行がつなぎ融資を行うこともあります。
個人でのつなぎ融資はまず住宅ローンの問題から行われる!
会社経営をしていないサラリーマンなどは、つなぎ融資は関係ないと思っている人も多いでしょう。つなぎ融資は、企業の資金繰り関係で必要という印象はあります。
しかし、個人でもつなぎ融資が必要な場面はあります。住宅購入時です。
住宅ローンを組む際に、状況によってはつなぎ融資を必要とするケースも出てきます。
- 一戸建て住宅を購入する場合
(注文住宅) - 住宅を買い替える場合
住宅購入方法がこのような場合には、つなぎ融資を必要とする可能性が出てきます。
つなぎ融資とは住宅ローンが始まるまでに必要な支払いを行ってくれる
そもそも「住宅ローンを組むならつなぎ融資は必要ないだろう」と思っている人は多いでしょう。確かに分譲マンションや建売住宅など、できあがった物件を買うだけならば必要はないでしょう。しかし、1から「家を建てる」となるとそうはいかないのです。
- 土地の購入
- 住宅建築の着工金
(工事費用の約30%) - 建築途中での中間金
(工事費用の約30%)
※着工金などの割合はあくまで目安です。また、実際には契約時に着手金が必要な場合もあります。
この後、住宅が完成すれば、 住宅ローンが開始になります。つなぎ融資が使われている場合、融資された住宅ローンでつなぎ融資を清算することになります。(同時に住宅ローンの返済が開始されます。)
ある程度、資金を持っていればつなぎ融資をする必要はないでしょうが、実際には、土地代を考えただけでもかなりの費用が掛ることは想像できます。住宅工事費用も、都度の支払いは安くはないでしょう。
ですので、住宅の購入の仕方によるでしょうが、住宅の購入の仕方によっては、つなぎ融資が必要と考えておいた方がいいかもしれません。
金利が高くて扱っている金融機関は少ない?つなぎ融資の特徴とは
住宅を購入する際に使えるつなぎ融資は、重要なタイミングで必要とされるので、かなり重宝されるローンのように感じるかもしれません。しかし、他のローンでもそうなのですが、メリットと合わせてデメリットもあります。ひっくるめてこのような特徴を持っています。
- 金利が高く、事務手数料などの費用もかかる。
- 住宅ローンとセットとなっていることが多い。
- 民間の金融機関でつなぎ融資を行っているところは少ない。
- 住宅ローンの控除は適用されない。
金利ですが、おおよそですが2~4%ほどとなっています。通常の住宅ローンの金利が、0.5ぐらい~1%台ですので、高いと言えます。
事務手数料が先に融資額から引かれた状態でお金が融資されるだけでなく、つなぎ融資の利息も先に引かれています。
例えば1,000万円つなぎ融資として融資されるのに、利息と事務手数料を合わせて15万円ほど掛ったとします。そうすると、実際に振り込まれるのが985万円となります。(実際は、きちんと細かく計算されていますが。)
その為、実際に使う時にはしっかりとその内容や特徴を把握して使うようにしなければ、後で困ることになります。
また、ローンの内容からして必ずしもどこの金融機関でも扱っているわけではありません。
つなぎローンを扱っている金融機関の一例
- 楽天銀行(つなぎローン)
- ARUHI(ARUHIフリータイムつなぎ)
- イオン銀行(フラット35つなぎ)
- みずほ銀行(フラット35つなぎローン) など
他にも扱っている金融機関はありますが、住宅購入時に必ず必要と言うわけではないので、このローンを探すのに少し手間がかかるかもしれません。まずは住宅ローンを探す際に忘れずに問い合わせするようにしましょう。
もちろん買い換えでは、つなぎ融資を使わずにすむ方法もないわけではありません。同時決済を行えばつなぎ融資は不要ですが、売り側と買い側の融資実行を同一の日に行う必要があるなど、双方の金融機関や不動産仲介会社での調整が必要になるのでなかなか難しいかもしれません。
一般的な認識はこちら?事業用のつなぎ融資は資金調達のために必須?
個人としてのつなぎ融資は住宅ローンに関して行われることが多いのですが、当然、事業としてのつなぎ融資をイメージする人の方が多いと思います。
事業の場合、「ブリッジローン」または「ブリッジファイナンス」と呼ばれることも多いです。
言葉通り、債務者の資金繰りの為の橋渡しとしての短期の融資を指します。
内容は違えど、個人の住宅ローンのつなぎ融資と同じ使い方と言ってもいいかと思います。
つなぎ融資の使い道としてはこのようなことがあります。
- 得意先からの入金が遅れた時など、資金の一時的な確保
- 企業の買収や提携などのM&Aとしての資金
- 不動産で大型ビルや大型施設などの大規模の物件の購入
- 新しい設備投資やシステム投資
ここの話のメインとしては、やはり規模の小さい事業所の場合でしょう。事業の業績によっては、つなぎ融資が必要になる場合が多いかもしれません。また、新たに事業拡大をしたい場合にも使えるのは考えるまでもないでしょう。
事業用ならではのつなぎ融資でもメリットやデメリットはある!
必要な状況がある可能性を考えれば、自営業の人がつなぎ融資を知らないことはないでしょう。が、確認の為、そしてもし新たに事業を起こしたいという人がいるならば、今後の為に簡単でもつなぎ融資について知っておくことは必要です。
どんなローンでもメリットとデメリットはありますが、当然つなぎ融資にもメリット、デメリットがあります。
つなぎ融資のメリット
- 保証人が不要
- 短期間で多額の資金が使える
(事業の立て直しも可能) - 審査に時間が掛らない
また、M&Aにしても事業の立て直しにしても、スピード対応が必須の場合が多い為、通常の融資よりも早く対応してもらえます。
特にノンバンク系での融資は、スピードや担保の面などを見ても借り入れしやすいようです。
逆にデメリットとしては、これらがあります。
つなぎ融資のデメリット
- 明確な目的が必要
- 通常の融資よりも金利が高い
- 一括返済なので、返済の目途がないと融資が難しい
- 遅延損害金のリスクが高い
借入先にもよりますが、このようなデメリットがあります。
その借入先ですが、メリットでもあるスピード対応を考えるとやはりノンバンク系の金融機関がオススメでしょう。
- 消費者金融・信販会社のビジネスローン
- 事業者用専門のローン
多少時間に余裕があれば銀行ももちろん可能ですし、 日本政策金融公庫を代表とする公的な金融機関を利用したり、自治体の補助金制度を利用することも方法としてはあります。
また、ファクタリングを利用する、手形割引を利用する、ということも可能です。
つなぎ融資というよりもつなぎ資金の確保と言う形で考えるといろいろとやり方はあります。
今は関係なくてもつなぎ融資とは何か知っているといざという時にいい
つなぎ融資は自分には関係ないと思っている人も多いかもしれませんが、個人でも使う可能性があることは分かったと思います。
個人で住宅を購入する際には、マンション、建売、注文住宅でも流れや購入方法は変わりますし、業者とのやりとりでも対応が若干変わることもあります。
つなぎ融資だけの問題ではありませんが、後で「思ったより資金が必要になって困った。」と言うことになりかねないので、住宅ローンさえ組めば大丈夫とは思わず、住宅購入に関する知識を得ることは必要です。
また、規模は小さくとも事業を営んでいれば、なおさら知識は必要です。それこそつなぎ融資について知らない人はいないでしょうが、改めて知っておくと困った時に助かります。
そして実際に事業としてつなぎ融資が必要な場合、資金調達するにしてもいろいろな方法があることを知っておくと、自社や事業に合った手段を選ぶことができます。
ローンと一言で言っても、公的なものから銀行、ノンバンク、事業者専用など融資側も多種にわたります。ローンの内容もニーズにこたえて様々な商品があります。
全てを把握することは難しいでしょうが、つなぎ融資について、基本的な部分だけでも知っているといざという時に役に立ちます。
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