彼氏から彼女からお金を借りる。お金のトラブル回避ポイント解説
付き合っている相手にお金を貸してほしいと頼むのはなかなか難しいものです。ある程度相手のことを理解した状態ならともかく、付き合って間もないような相手に金の無心をするのは、非常識だと思われてしまうでしょう。
今回は、恋人にお金を借りるとき、または貸すときに心がけるべきポイントを解説していきます。いくら親密な仲であるとはいえ、金銭のやり取りは別問題であるということだけは、あらかじめ知っておくべき点となるでしょう。
金の切れ目は縁の切れ目?お金を貸し借りでの恋人トラブル
まだよく知らない相手に「お金を貸してほしい」と言われたら、第一印象は間違いなく良くないものになるでしょう。どんなに誠実そうに見えても、金の無心をしてくる相手は信用できないと判断する人もいます。
お金を借りた時にきちんと返済するならともかく、返済が出来ないとなったらその関係は一気に悪化します。自分の恋人だから信用できると短絡的に考えてお金を貸すのはその人の自由ですが、そういった安直な考えは往々にしてトラブルのもとになります。
こうしたある意味親切な人は、借りる相手からすれば、困った時には気前良くお金を貸してくれる相手だと思われるようになり、次第にそれは日常化し、挙句の果てには、断った時にお金を貸してくれなかった方が悪いと言われるようになります。
こうならないように、あらかじめ金銭の貸し借りは結婚するまでしないというような約束をしておいたり、恋人に頼る前に銀行のカードローンや自分の両親から借りられないかを試すぐらいのことをしておきましょう。
お金を借りる相手に理由を説明する義務はあるのか
もしあなたが自分の恋人からお金を貸してほしいと言われたときに、お金が必要な理由を説明されるのと、説明されないのではどちらが貸してもいいと思えるでしょうか。
おそらく、多くの人はお金が必要な理由を説明してもらった方が納得できるのではないかと思います。お金を借りるとき、借りる側にはその理由を説明する法的な義務はありません。プライバシーに関わることでもある上、借りたお金をどう使うかは借りた側の自由だからです。
しかし、義務がないということと、お金を借りやすくなるかということは別問題です。恋人とはいえ、正確には他人である相手にお金を貸してもらうのであれば、何のためにいくら必要なのかということを説明するのは最低限のマナーでもあります。
前提として、相手にお金の無心をするということ自体が、恋人関係に大きなリスクを抱え込む行為であるということを「借りる側と貸す側の両方」が認識しておかなくてはいけないのです。
つまり、それだけのリスクを承知の上で、どうしても恋人からお金を借りたいというほど切羽詰まった状態でなければ、そもそも頼る相手が間違っているということでもあるのです。
彼氏や彼女が金の無心をしてきたときの角が立たない対処法とは
「いくら恋人とはいえトラブルの原因になるかもしれないからお金を貸したくない。でも断ると仲が悪くなりそうで怖い」、こう考える人も少なくありません。
お金を貸さずに今までの関係を悪化させないためには、うまい断り方が必要になってきます。単に相手のためにならないからと言って断るのでは落第点です。なぜなら、相手はすでにお金に困っているという状態であり、借りる側からすれば、「自分のためになることとはお金を貸してくれることだ」と考えているからです。
だとすれば、いくら相手の為だと思っていても、にべもなく断れば当然相手はいい気分がしないでしょう。重要なのは、相手に「お金を借りるべき相手が違う」ということを理解させることです。
お金が必要なのは仕方がない、しかしそれが理由ならば、最初に頼るべきなのは恋人ではなく、銀行や相手の両親であるということを教えることです。こうした相手にすべて断られている場合になって初めて自分が貸すべきかの判断をするのです。
気を付けなくてはいけないのは、同情で貸すことだけはしてはいけないということであり、これをすれば最後、相手はことあるごとに情に訴えてお金を借りようとして来る可能性が極めて高くなるということです。
まとめると、恋人がお金を借りようとしてきた時には、基本的に銀行者消費者金融といった金融機関や相手の両親から借りることを優先させるように誘導することが第一で、そうした相手から借りられなかった場合は、何故お金が必要なのかを聞き、納得できる理由を説明されたときだけ貸すようにしましょう。
稀に、詳しい説明もなくお金を何とか借りようとする人間もいますが、こうした相手に貸す場合は、お金をあげるつもりでいた方が良いでしょう。繰り返し借りようとしてくる相手は、相手のことを便利な財布としか思っていないケースも有ります。このような悪質なケースでは、財産を毟り取られたくなければ速やかに交際をやめた方が良いでしょう。
金の無心をされたときは自分一人でなんとかしようとしないこと!
ここでもう1つ大切なことがあります。相手から金を貸してくれと頼まれたときに、自分だけでなんとかしようとしないことです。周囲を頼るべきなのは、何も金に困っている当人だけではありません。お金を貸す側も周囲と相談する必要があるケースも多く、1人で抱え込むより安全な対応がしやすくなります。
また、トラブルになった時にも、事情を知っている人間が多い方が貸し手側に有利に働きます。どういった経緯でお金を貸したのか、相手の返済が実際にどのように行われたのかといった問題は、当事者同士では水掛け論になりやすいので、中立の第三者を作っておくことはトラブルの対処法として有効な方法でもあります。
周囲に相談するのは、自分の為でもあり、身を守る布石にもなるので、相手に流されずにきちんと話を広めておくようにしましょう。最低でも自分の両親には、交際相手から金の無心をされたと報告しておき、可能であれば、交際相手の両親にも伝えるべきなのです。誰にも知られずにお金を貸す場合は、返ってこないことを前提に貸すぐらいの気概が必要です。
恋人にお金を貸すときに金利を取るのは相手のためになる?
付き合っている相手にお金を貸して、金利を取るというのは人間関係を悪化させる可能性も十分にあります。本来であれば、恋人からお金を借りるという行為そのものが既に問題なのですが、いざ貸すとなった時に金利まで設定する必要があるのかという疑問の声もあるでしょう。
結論から言えば、相手が誰であろうとも、金銭の貸し借りでは、借用書の作成と金利の設定は絶対にやっておくべきポイントになります。
身近な人にお金を貸したときに借用書を作成し、さらに金利を取るというのは心理的な抵抗がある人もいるかもしれませんが、これは貸す方借りる方の双方にメリットがあることなのです。
貸す方にとってのメリットとは、主に2つです。1つは金銭的なメリット、利子を付けて返してもらえるので、金銭的なメリットが確保出来る点。そしてもう1つのメリットが、債務契約を証明できることによって、いざというときに裁判によって資金回収がしやすくなることです。金銭貸し借りの口約束ほど信用できないものはありません。借用書は借金の催促の際に強力な証拠になります。
借りる側のメリットも2つあります。1つは、返済のトラブルを回避出来ることです。借金トラブルで一番多いのは、いくら貸したかでもめることです。一般的に多いのは借りた側が借金を踏み倒そうと喚くケースですが、中には返済したにもかかわらず「返済がされていない」と主張する貸し手側が問題を起こすケースも有ります。こうしたトラブルを回避するためにも、借りるときに借用書とともに、返済した時には、完済証明書を作成しましょう。
もう1つのメリットは、贈与税の課税を回避することです。他人から無利子でお金を借りるという行為は、法律上では贈与に該当し、この金額が1年で110万円を超えると贈与税という税金がかかります。金利を設定することで、贈与ではなく債務契約にすることが出来るため、課税を回避することが出来ます。贈与税の税率は金額によって変わりますが、最低でも10%かかるので、金利を低く設定して債務相手に返した方がよほど得になるのです。
相手に貸してもいい金額はどうやって決めるべき?
さて、ここでは相手に具体的にいくら貸すのがトラブルを回避しやすくなるのかという話になります。
前提として、相手が希望する金額がそれほど多くないということと、返済する意思は少なくとも契約当初はあると考えて解説していきます。例えば100万円を超えるような貸し借りはそもそも恋人相手にするべきものではなく、返済する意思がないような相手では話にならないためです。
具体的な金額は、相手が返済できるであろう金額を想定するところから始めます。
貸す金額を決めるときに重要なのは、相手がいくら借りたいかという意見ではなく、相手がいくらまでなら無理なく返済できそうかということをシビアに見定めることです。
例えば、現在職を探している状態の無職の恋人が50万円貸してほしいと頼んできたとしましょう。あなたが貸す立場だったとして、この相手が50万円を返せると判断したのならば問題ありません。しかし、返済は無理そうだと判断したなら、きっぱりと断ることが大切です。
本人が返せないほどの借金は、ほぼ確実にその後トラブルになります。典型的な流れとしては、返済期限になって「もうちょっと待ってくれ」と延期を求められ、しばらく借金関係の話題を避けられ、しびれを切らして催促したら逆上されて険悪になったというケースです。
どんな職業であっても無難に貸せるのは10万円程度までで、それを超える金の無心であれば、本人に返済の目処が立っているかを確認し、周囲に相談したのち借用書を作って貸すという安全策を取りましょう。
自分が借りる立場ならどのような説得をすべきなのか
これまでは、自分が貸す側の立場でも立ち回りについてでしたが、これは自分が借りる立場の時に相手が考えることになります。つまり、自分が恋人からお金を借りるときに最低限守るべきことでもあるのです。
自分がお金を借りるときには、恋人から借りるのは最後の手段でなくてはいけません。その前に借りるべき候補があるということです。そして、そのいずれも断られたということは、自分の返済能力がかなり低いことを意味します。
だとすれば、たとえ恋人であっても簡単に貸してもらえるだろうと考えるのは間違いであると認識したうえで相手を説得しなくてはいけません。
まず、最低限守るべきことは、自分が何のために、どういった事情があってお金に困っているかを明確に説明することです。これをせずにお金だけ貸してもらおうとするのは虫が良すぎる話です。
次に、金利を付けて返すことを自分から申し出ましょう。返済が出来ることを約束し、無理のない返済予定を伝えます。このとき、見栄を張ってできない約束をするのは厳禁です。例えば本来返済できそうなのが月に3万だとしたら、見栄を張って月5万返済するなどというのは厳禁です。それよりも、万が一のことを見据えて月に2万円なら必ず返済するといった方が良いぐらいです。
交渉事でもそうですが、ノルマを設定するとき、相手はその多寡ではなく、約束が守られたかどうかの方を重視する傾向があります。
また、人間は心理的に「ノルマよりも多くの成果を出した」ことを高く評価する傾向があります。何が言いたいかというと、毎月3万円を返済するという事実だけ見ても、ノルマを5万にして3万しか返済しなかったということは印象を悪くします。そして、2万のノルマだったのに、頑張って3万も返してくれたというように、求められている基準より多かった場合は相手に良い印象を与えるのです。つまり、返済金額では絶対的な評価ではなく、相対的な評価を受けやすいのです。
返済する金額を相談する際には、この法則を知っておくことが重要です。
相手にお金を借りるときには、本来自分が毎月返済できるであろうぎりぎりの金額ではなく、どんなに厳しい状態でも最低これだけなら確実に返せると思える金額を申告するのがポイントで、確実に返済の約束を守れることをアピールすることです。
金利は相手と相談するのですが、おおよその目安として、銀行で同額を借りる際の金利の半分程度までを許容範囲とするのがトラブルになりにくい妥協ラインです。これより高い金利を提示されたら、素直に別の資金調達を検討しましょう。
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